SSTとはいったい何なのか?
精神疾患を抱える家族がいると、一番近しい立場のご家族のみなさんは対応の仕方に頭を抱えることも多いのではないでしょうか。
マニュアルはなく、病院で相談しても医師もワーカーさんもコレ!という答えをくれない。
公的施設で相談してもハッキリした返答は返って来ず。
結局のところ、家族で模索して対応していくしかないという重責を肩に背負う方も多いのではないかと思います。
私たち兄弟姉妹の立場はこれに更に拍車がかかります。
親の立場とは違うのに、巷に出ている事例はほぼ親子を想定したものばかり。
調べても調べても欲しい情報にたどり着かず、調べ疲れて膨大な時間と精神力、体力を奪われてしまいます。
兄弟姉妹の立場の方たちは、親より若いこともあり、、
行動力がある。
考える頭もある。
精神力もある。
できれば建設的に解決に向かっていきたいと切望している。
そんな方々が多いような印象を受けます。
私も例外にもれずそうでした。
しかし、行動したくてもやり方が分からず、相談する場所も分からず、疲れ果てて動けなくなってしまうほどに事態はどんどん悪くなる一方。
そんな状況に追い込まれることも少なくありません。
そんな中で出会った、私が読んでいるSSTの本は、漫画と書籍の2種類があります。
こちらに掲載していますが、このブログはアフィリエイトではないので、もし興味がおありで購入を検討する際は、ご自身で検索してのご購入をお願いいたします。
こちらは漫画なのでとても読みやすいです。
そしてこちらは書籍です。
具体的な事例に沿ってQ&A方式でのオススメな対応の仕方、考え方が掲載されています。
---------------------
【SSTって、なぁに?】
ソーシャル スキルズ トレーニング
Social Skills Training=略して「SST(エスエスティ)」と呼ばれています。
日本語で「社会生活技能訓練」と訳されており、精神疾患のある家族に対してどのように接していったらいいのか?接し方の技能を学びつつ、ロールプレイをしながら訓練して習得していく技法のことです。
※ロールプレイとは、場面を想定して各役割を決め、やりとりの練習をすることです。
※今までと違う接し方を学んでいくので、机の上で学習するだけではなく、ロールプレイを通して実際に動き・話すことで訓練され、実践も交えながらの技能習得となっていきます。
---------------------
【SSTの3つのポイント】
①相手の気持ちを聞く(受信)
→主に家族側のSSTとして練習します。
②考える(情報処理)
③自分の気持ちを話す(送信)
→主に当事者のSSTで練習します。
◆精神疾患の家族側で行うSST
意外や意外、当事者の家族の気持ちを聞く(受信)に重きを置いているんですね。
どう伝えようか、どうしたら分かってくれるのか、私たち家族は当事者へ思いを伝える(送信)に重きを置きがちですが、実は(受信)キモだったのかと目からウロコでした。
◆精神疾患の当事者が行うSST
自信の気持ちを自分で理解し、それを上手く家族や周りの人に伝える。
これが精神疾患をお持ちの方にとっては、なかなか上手くいかずハードルの高いものになるそうです。
当事者のSSTでは、この気持ちを伝える(送信)に重きを置いて技能訓練をするそうです。
---------------------
【受信上手に!会話の5つのポイント】
SSTの受信上手になるためには、相手の気持ちに”よりそう”ための5つのポイントがあります。
①関心表明
②反復確認
③質問(相手の話を具体的に引き出す)
④共感の言葉(”同意”ではありません)
⑤自分の考えを述べる
お分かりでしょうか?
家族が重きに置きたがる(送信)は、最後の⑤だけです。
①~④の受信、これが精神疾患を持つ当事者と接する際にはとても大事な技能となります。
エラそうに書いてますが、私もまだ勉強と模索の途中です。慣れなくて対応を失敗したりもします。
でも失敗することが「取り返しのつかないことになる」訳ではないです。
勉強だけしても、やらなければ技能はずっと身に付きません。
やって失敗し、フォローの仕方も実践で模索しつつ身に付けながら、少しずつ成長していくものなのかな、と最近は思うのです。