統合失調症(漫画)

兄弟姉妹の精神疾患・精神障害で困った時、自分自身のケアに目を向けたいとき、助けてくれる援助職の方たちの生の言葉が知りたい時、そんな時に役立つ(かもしれない)本をいくつか、こちらでご紹介いたします。
※中の人が個人的に読んだ著書を、中の人らしい感想でオススメしています。
※読みたい!購入希望!という場合はタイトルや著者で検索して下さい(アフィリエイトではないので購入へのリンクは割愛しております)。


漫画
著:中村ユキ、監修:福田正人・当事者のみなさん
マンガでわかる! 統合失調症
「統合失調症」の当事者が身の回りにいる方は、一度は手に取って読んでみる事をおすすめします。統合失調症が発症するまで、発症してから、入院、治療、再発、再入院、寛解し社会と少しずつ少しずつ関りをもちつつ、病気と共存するために当事者や家族の葛藤・奮闘、失敗、学び、様々なエッセンスが詰め込まれた一冊です。

 


漫画
著:中村ユキ、監修:高森信子
マンガでわかる! 統合失調症〔家族の対応編〕
でました!待望の「統合失調症」家族の対応編!
SSTを元に、具体的な事例に対しての家族の対応例がドッサリ掲載されています。
しかも漫画なのでとても読みやすい。
幻聴、妄想、被害妄想、暴言、暴力、突然キレる、過剰に甘える、お金や物の無心が際限なく断ると火が付いたごとく怒りだす、、、、統合失調症の症状で当事者は大変苦しい思いをしてますが、周りで接する家族もこれだけの事が起こると(どう対応したらいいのか!?)とオロオロ、イライラ、放置、、、そんな高EE対応にならない為に、家族や当事者の為に、この1冊、ぜひ読んでみて下さい。
もしかしたら解決の糸口になるかもしれません。

 


漫画 著:中村ユキ
わが家の母はビョーキです1・2
著者の中村ユキさんのお母さんが「統合失調症」。それもユキさんが幼い頃に発症し、子供のころからなかなかヘビーな急性期症状と対峙してきたようです。
実際の出来事はかなりヘビーで心中慮るに察して止まない状況にも関わらず、持ち前の可愛い絵柄とコミカルな作風で、軽やかに読ませるテクがすごい!
再発・再入院を何度も何度も繰り返し、日々繰り返される出来事に対応するだけで手一杯な家族だからこそ行き届かない「実は統合失調症ってどんな病気?」「どうやって回復するの?」「こんなに困ってるのは私たちだけなんじゃないか・・」という課題を一つ一つ、勉強し知識を付け、体験談を聞き、当事者のお母さんの話も落ち着いて聞いて、当事者とその家族が少しずつ落ち着いた生活を送れるようになっていく、そんなエッセイです。

 


漫画
著:成重 竜一郎、ともよ
わたし中学生から統合失調症やってます。: 水色ともちゃんのつれづれ日記
著者ともよさんは、統合失調症の当事者です。
まず絵が可愛い!線がゴチャゴチャしてないのでシンプル可愛いさが際立ち、読み疲れ無くスイスイ読み進めることができました。(漫画だけど文字は少し多めです)
中学生の頃に統合失調症を発症してからの一連の出来事が、体験談として漫画で描かれています。
当事者は一体どういう感覚なの?幻聴の時、疲れる時、どうなっているの?というのが生の声が分かりやすいマンガやイラストで描かれているので、統合失調症ではない家族の立場としても、とても参考になり読む価値がありました。

◆因みに私はこちらの動画でこの漫画を知りました。
NHK「ハートネットTV」
チエノバ 統合失調症について① イルボスコ
https://youtu.be/aGzxYhTH-GA

◆ハートネットのWEBサイトはこちら
統合失調症を知っていますか?症状と回復への道のり
https://www.nhk.or.jp/heart-net/article/149/

◆著者ともよさんのHP(毎日更新の漫画も見られます)
http://mizutomo.info/index.html

 


漫画
著:木村きこり
統合失調症日記
著者の木村きこりさんも、統合失調症の当事者です。
絵は少しクセがあります、、が、その分、著者が症状に翻弄される様子がリアルに目に飛び込んできます。
厳しい両親からのプレッシャー、美大進学・受験のストレスによって高校生の頃に統合失調症を発症してから、入院せずに投薬治療し、美大入学から大学生活の間のことが、体験談として漫画で描かれています。
幻聴・幻視・幻痛などがある著者ですが、絵のクセもあいまって、その不気味さ、居心地の悪さ、怒り、悲しみなどが、ありありと伝わってきます。
特に「幻痛」、、医学用語ではないようですが「体感幻痛幻覚」とも言われていて、実際に誰も何もしてないのに、体が殴られたり叩かれるような激しい痛みを感じるそうです。
幻聴に3人の人格がある、というのも、未体験な私からすると非常に興味深かったです。

 


漫画
著:みえっち
統合失調症だけど、がんばって生きています
著者みえっちさんも、統合失調症の当事者です。えみっちさんは社会人になってから発症しています。
真面目で一生懸命で、何でも仕事を引き受けては忙しくて仕事が回らなくなり、失敗も増えてきて、、、。自分で自分を責める言葉を頻繁に頭に思い描くようになります。
そして会社の人が私を仕事ができないと思っている、無視した私が嫌いなの?男性から変な目で見られている気がする、、、という被害妄想が起こるようになります。
被害妄想は放置しても治るわけがなく更に拍車がかかり、自分で自分を責める声がいつしか幻聴に、、、被害妄想は更に病的になり「監視カメラがあるはず!」「盗聴器が仕掛けられてる!」、そしてある日発狂して救急車で運ばれてしまいます。
他の統合失調症の当事者漫画と違うのは、社会人になってから発症、入院・寛解して恋人ができ、結婚している、というところでしょうか。
結婚生活でも色々な出来事があり、再発して再入院して、そこから自分の症状と生活の折り合いを付けながら、少しずつ社会に出て行く様子までが描かれています。
絵がとても上手で、漫画の構成も上手で、可愛い絵柄だから重たい話も軽やかに読み進められるかと思います。